MENU

子どものことばが遅いのはなぜ?ことばの発達と家庭でできる関わり方を解説

子どものことばの遅れと家庭でできる関わり方を紹介する記事のアイキャッチ画像

「同じくらいの年齢の子は、もっと話している気がする」
「単語がなかなか増えない」
「言っていることは分かっているようだけど、あまり話さない」
「呼んでも反応しないことがある」

子どものことばについて気になると、

「このまま待っていて大丈夫?」
「発達が遅れているのでは?」
「発達障害なのかな?」

と心配になることがあります。

ことばの発達には個人差があります。

また、「話せる単語の数」だけでなく、

  • 大人のことばをどのくらい理解しているか
  • 指さしや身振りを使っているか
  • 人と気持ちや興味を共有しようとしているか
  • 音や呼びかけに反応しているか
  • ことばが少しずつ増えているか

など、コミュニケーション全体を見ることが大切です。

この記事では、子どものことばが遅いと感じるときに考えられることや、家庭でできる関わり方、相談を考える目安について整理します。

目次

子どものことばが遅いのはなぜ?

子どもがことばを話し始める時期や、ことばが増えていくスピードには個人差があります。

一方で、ことばは突然ひとりで育つものではありません。

子どもは、

人の声を聞く
相手の表情を見る
身振りや指さしを使う
ことばの意味を理解する
音やことばをまねする
自分の気持ちを伝える

といった経験を重ねながら、少しずつコミュニケーションを広げていきます。

そのため、

「何語話せるか」

だけではなく、

「人とどのようにやりとりしているか」

を見ることが大切です。

ことばの発達は「話す」だけではありません

ことばの発達というと、

「何歳で何語話せるか」

に目が向きやすいかもしれません。

しかし、コミュニケーションにはいくつかの側面があります。

ことばを理解する力

子どもは、自分でことばを話す前から、少しずつ大人のことばを理解していきます。

たとえば、

「ちょうだい」
「おいで」
「くつ持ってきて」

などの簡単なことばや指示を理解できるかを見ることがあります。

話すことばが少なくても、理解する力が育っている子もいます。

ことばで伝える力

自分の欲しいものや気持ちを、声や単語、短い文などで伝える力です。

最初は、

「ママ」
「わんわん」
「もっと」

など、一つのことばから始まり、少しずつことばを組み合わせるようになります。

ただし、ことばの増え方には個人差があります。

指さしや身振り

ことばを話す前から、子どもはさまざまな方法で気持ちを伝えます。

たとえば、

  • 欲しいものを指さす・興味のあるものを指さして大人に見せる・手を振る
  • うなずく
  • 大人の手を引いて連れていく

などです。

こうした身振りも、コミュニケーションの大切な一部です。

人とのやりとり

子どもが、

「見て」
「一緒に楽しみたい」
「助けてほしい」

というように、人に向かって働きかけているかも大切です。

声、表情、視線、身振り、ことばなど、方法は一つではありません。

ことばの発達にはどんな目安がある?

発達の目安は、

「この年齢なら必ずこれができなければいけない」

という合否の基準ではありません。

多くの子どもにみられる発達の流れを知り、

「今どんな力が育っているのか」

を考えるための参考です。

1歳ごろ

この時期には、

  • 「バイバイ」と手を振る
  • 身近な人を特別な呼び方で呼ぶ
  • 「だめ」など簡単なことばを理解する

といったコミュニケーションがみられるようになる子が増えてきます。

1歳半ごろ

このころには、

  • 「ママ」「わんわん」など、いくつかのことばを言おうとする
  • 身近な物の名前を聞くと見る
  • 欲しいものや助けてほしいことを指さしで伝える
  • ことばと身振りを組み合わせた簡単な指示に応じる

といった姿がみられることがあります。

2歳ごろ

この時期には、

  • 二つのことばを組み合わせる
  • 本の中の物を指さす
  • 体の一部を指さす
  • 指さし以外の身振りも使う

など、ことばと身振りを使ったやりとりが広がっていきます。

2歳半ごろ

ことばの数が増え、

  • 二つ以上のことばを組み合わせる
  • 本に出てくる物の名前を答える
  • 自分を表すことばを使う
  • 簡単な二段階の指示を理解する

などがみられる子も増えます。

3歳ごろ

この時期には、

  • 大人と何往復か会話する
  • 「なに?」「どこ?」「どうして?」など質問する
  • 自分の名前を言う
  • 絵を見て何をしているか説明する
  • 家族以外の人にも、話している内容が分かりやすくなる

など、会話としてのやりとりが広がっていきます。

ただし、これらはあくまで目安です。

一つの項目だけで発達を判断するものではありません。

ことばが遅くなる背景には何がある?

ことばが少ないように見える背景は一つではありません。

ことばの発達のペース

子どもによって、ことばが増える時期には差があります。

理解することばや身振りが育っていて、後から話すことばが増えてくる子もいます。

ただし、

「個人差だから必ず待てばいい」

という意味ではありません。

気になる場合には、成長の経過を見ながら相談することも大切です。

聞こえにくさ

ことばを覚えるためには、周囲の音や人の声を聞くことが重要です。

聞こえにくさがあると、

音に気づきにくい
ことばを聞き分けにくい
呼びかけへの反応が少ない

といった様子がみられることがあります。

日常生活では聞こえているように見えても、聞こえの状態を確認することが必要な場合があります。

ことばを理解することの難しさ

話すことばだけでなく、相手のことばを理解することに難しさがある子もいます。

簡単な指示が伝わりにくい。

質問の意味が分かりにくい。

ことばだけで説明すると理解しにくい。

こうした場合には、伝え方の工夫や専門的な評価が役立つことがあります。

人とのやりとりの違い

人とのコミュニケーションの取り方には個人差があります。

指さしや視線、身振り、ことばの使い方などに違いがみられることがあります。

ことばの遅れだけでなく、

人とのやりとり
遊び方
興味の持ち方
行動のパターン

などを含めて見ていくことがあります。

発達全体との関係

ことばだけでなく、

運動
遊び
認知
対人関係
日常生活

など、ほかの発達面にも気になることがある場合があります。

ことばの発達を見るときには、子ども全体の発達を見ることも大切です。

「ことばが遅い=発達障害」ではありません

ことばが遅いと、

「発達障害なのでは?」

と心配になることがあります。

しかし、ことばの遅れだけで発達障害と判断することはできません。

ことばの発達には個人差がありますし、聞こえの問題や言語発達の問題など、さまざまな背景があります。

一方で、自閉スペクトラム症(ASD)などの神経発達症のある子どもの中には、ことばやコミュニケーションの発達に違いがみられることがあります。

そのため、

「何語話せるか」

だけではなく、

  • 人とのやりとり
  • 指さしや身振り
  • ことばの理解
  • 興味の共有
  • 遊び方
  • 発達全体

などを含めて考えることが大切です。
発達障害(神経発達症)全体について知りたい方はこちら

家庭でできることばの関わり方

「ことばを増やさなければ」

と思うと、つい何度も言わせたり、質問を繰り返したりしたくなることがあります。

しかし、日常生活の中で楽しくやりとりすることも大切です。

子どもが見ているものにことばを添える

子どもが犬を見ているときに、

「わんわんだね」

車を見ているときに、

「赤い車だね」

というように、子どもが興味を向けているものに短いことばを添えます。

子どもが注目しているものとことばが結びつきやすくなります。

子どものことばを少しだけ広げる

子どもが、

「くるま」

と言ったら、

「赤いくるまだね」

「くるま、走ってるね」

というように、少しだけことばを足して返します。

無理に復唱させる必要はありません。

身振りや指さしも大切にする

ことばだけでなく、

指さし
表情
声
身振り

も大切なコミュニケーションです。

子どもが指さしたら、

「それ欲しいんだね」

と受け取って、ことばにして返します。

子どもが話すのを少し待つ

大人が先回りしてすべて言ってしまうと、子どもが伝える機会が少なくなることがあります。

子どもが何か伝えようとしているときは、少し待ってみます。

声や身振り、視線だけでも、

「伝わった」

という経験を増やすことが大切です。

質問ばかりにしない

「これは何?」
「何色?」
「誰?」

と質問が続くと、会話がテストのようになることがあります。

質問だけでなく、

「おいしそうだね」
「大きいね」
「電車来たね」

というように、大人からことばを添えることも大切です。

絵本や歌を楽しむ

絵本や歌は、ことばに触れる機会になります。

最後まで座って聞けなくても構いません。

好きなページだけ見る。

絵を指さす。

同じ本を何度も読む。

歌に合わせて体を動かす。

そうした経験も、ことばやコミュニケーションにつながっていきます。

ことばを無理に言わせた方がいい?

ことばが少ないと、

「言ってみて」
「もう一回」
「ちゃんと言って」

と練習させたくなることがあります。

しかし、子どもが伝えようとしているときに、

「言えたらあげる」

というやりとりばかりになると、コミュニケーション自体が負担になることがあります。

大切なのは、

「正しく言えること」

だけではありません。

指さしでも、身振りでも、声でも、

「伝えたら相手に分かってもらえた」

という経験を重ねることが大切です。

そのうえで、大人が自然なことばを添えていきます。

テレビや動画のせいでことばが遅れる?

ことばが遅いと、

「テレビを見せたせいでは?」

と自分を責めてしまう保護者もいます。

しかし、ことばの発達にはさまざまな要因が関係しており、一つの原因だけで説明することはできません。

大切なのは、

画面を見せたかどうかだけを責めることではなく、

日常生活の中で、人とやりとりする時間があるかを見ることです。

一緒に絵本を見る。

食事をしながら話す。

遊びながら声をかける。

散歩しながら見つけたものを共有する。

そうした何気ないやりとりが、コミュニケーションの機会になります。

相談した方がいいのはどんなとき?

ことばの発達には個人差があるため、

「何歳までに何語言えなければ必ず問題」

と一つの数字だけで判断することはできません。

一方で、次のような場合には相談を考えてもよいでしょう。

  • ことばがなかなか増えていかない
  • 以前使っていたことばやコミュニケーションが減った
  • 呼びかけへの反応が少なく、聞こえが気になる
  • 簡単なことばの理解が難しいように感じる
  • 指さしや身振りが少ない
  • 人とのやりとりについて気になることがある
  • ことば以外の発達についても気になる
  • 園などから発達について相談を勧められた
  • 保護者の心配が強くなっている

特に、できていたことが失われた場合には、早めに医療機関などへ相談してください。

「様子を見るべきか分からない」

という段階でも相談して構いません。

相談先はどこ?

相談先としては、

  • かかりつけの小児科
  • 市区町村の乳幼児健診や発達相談
  • 保健センター
  • 発達を専門とする医療機関
  • 耳鼻咽喉科や聴覚の専門機関
  • 言語聴覚士
  • 園や保育所の先生
  • 地域の発達相談窓口

などがあります。

相談するときには、

「ことばが遅いです」

だけではなく、

「どんなことばを話すか」
「どんなことばを理解しているか」
「指さしをするか」
「呼びかけに反応するか」
「どんな方法で要求を伝えるか」
「以前と比べて変化しているか」

などを伝えると、状況を整理しやすくなります。

ことばの数だけで、その子を見ない

ことばが少ないと、

「何語話せるか」

ばかり気になってしまうことがあります。

でも、子どもはことば以外にも、

目を見る
笑う
指をさす
手を引く
声を出す
物を見せる

など、さまざまな方法で人と関わっています。

ことばの発達を支えるときに大切なのは、

「もっと話させること」

だけではありません。

その子が、

何を見ているのか。

何を伝えようとしているのか。

どんな方法なら伝わりやすいのか。

何を一緒に楽しめるのか。

そうしたことを知っていくことです。

理解できることが増えれば、できることも増えていきます。

参考資料

参考資料

参考資料

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次