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子どもが落ち着かない・集中できないのはなぜ?原因と家庭でできる対応を解説

落ち着かない・集中できない子どもの原因と家庭でできる工夫を紹介する記事のアイキャッチ画像

「じっと座っていられない」
「話を聞いている途中で、別のことを始めてしまう」
「宿題を始めても、すぐに気がそれる」
「何度言っても、やることを忘れてしまう」

そんな姿が続くと、

「どうしてこんなに落ち着かないんだろう」
「集中力がないのかな」
「もしかしてADHD?」

と心配になることがあります。

でも、子どもが落ち着かなかったり、集中が続かなかったりする背景は一つではありません。

年齢による発達の途中であることもあれば、疲れや睡眠不足、周囲の刺激、不安、課題の難しさなどが関係していることもあります。

大切なのは、

「集中できない子」

と決めつけることではなく、

「どんなときなら集中しやすいのか」
「何が邪魔になっているのか」
「どんな工夫をすると取り組みやすくなるのか」

を見ていくことです。

目次

子どもが落ち着かない・集中できないのはなぜ?

子どもの注意や行動のコントロールは、成長とともに少しずつ発達していきます。

そのため、大人と同じように長い時間座っていたり、興味の薄いことに集中し続けたりすることが難しい時期があります。

また、

  • 眠い
  • お腹がすいている
  • 周囲がうるさい
  • やることが難しい
  • 何をすればいいのか分からない
  • 不安や緊張が強い

といった状況でも、落ち着きにくくなったり、集中が途切れやすくなったりします。

まずは、

「集中力があるか、ないか」

だけで考えず、どんな場面で起きているのかを見ることが大切です。

「落ち着かない」「集中できない」とはどんな様子?

保護者が「落ち着かない」「集中できない」と感じる姿にも、いろいろあります。

じっと座っているのが難しい

食事中や勉強中に立ち歩く。

椅子に座っていても、体を動かしたり、手足をもぞもぞさせたりする。

そんな姿がみられることがあります。

ただし、小さな子どもはもともと体を動かすことが多いため、年齢や場面も一緒に考える必要があります。

すぐに別のことへ気がそれる

宿題をしていても、音や物、人の動きが気になってしまう。

片づけを始めたのに、途中でおもちゃを見つけて遊び始める。

周囲に刺激が多いと、今やっていることから注意がそれやすくなることがあります。

話を最後まで聞くのが難しい

話の途中で別のことを始めたり、最後まで聞く前に動き出したりすることがあります。

ただし、

「聞く気がない」

とは限りません。

話が長い、内容が複雑、周囲に気になるものがあるなど、情報を受け取りにくい状況になっていることもあります。

やることを途中で忘れる

「着替えて、歯を磨いて、ランドセルを持ってきて」

と一度にいくつも伝えると、途中で何をするのか分からなくなることがあります。

これは、指示を覚えておくことや、順番に行動することの難しさが関係している場合があります。

好きなことには長く集中することもある

「ゲームや動画ならずっと集中できるのに、宿題はすぐ飽きる」

ということもあります。

注意は、すべての場面で同じように働くわけではありません。

興味の強さ、課題の難しさ、周囲の刺激、疲れなどによって、集中しやすさは変わります。

好きなことに集中できるからといって、

「集中力に問題はない」

とも、

「やればできるのに、やらないだけ」

とも一概には言えません。

子どもが落ち着かない・集中できない主な背景

同じように見える行動でも、背景は子どもによって異なります。

年齢による発達の途中

小さな子どもは、大人よりも長時間同じことに集中したり、自分の行動を抑えたりすることが難しいものです。

年齢が上がるにつれて少しずつできることが増えていきますが、そのペースには個人差があります。

そのため、

「何歳なのにできない」

と年齢だけで判断するのではなく、その子が以前と比べてどう変化しているかを見ることも大切です。

疲れや睡眠不足

睡眠が足りていなかったり、疲れがたまっていたりすると、注意を保つことが難しくなることがあります。

朝は落ち着いているのに夕方になると集中しにくい。

休日は比較的落ち着いているのに、平日の夜は荒れやすい。

そんな場合には、生活リズムや疲れも振り返ってみます。

周囲の刺激が多い

テレビがついている。

近くで家族が話している。

机の上におもちゃがたくさんある。

外の音が気になる。

こうした環境では、目や耳から入ってくる情報が多くなります。

集中が難しいときには、

「もっと集中して」

と言うだけではなく、集中しやすい環境になっているかを見ることも大切です。

やることが難しすぎる・分かりにくい

子どもが取り組まないと、

「やる気がない」

ように見えることがあります。

しかし、

何をすればいいか分からない
問題が難しすぎる
説明が長すぎる
どこから始めればいいか分からない

といった場合にも、活動から離れたり、別のことを始めたりすることがあります。

「できない」のではなく、

「分かりにくい」

可能性も考えてみます。

不安や緊張、ストレス

不安や緊張が強いと、周囲のことが気になり、集中しにくくなることがあります。

園や学校での人間関係。

新しい環境。

苦手な活動。

予定の変化。

こうしたことが重なっていないかも確認します。

興味や意欲の違い

子どもには、

「もっと知りたい」

と思えることもあれば、

「よく分からない」
「やりたくない」

と感じることもあります。

集中できる時間は、興味や目的によっても変わります。

そのため、

「何分集中できたか」

だけでなく、

「何をしていたときか」

も一緒に見ると、ヒントが見つかることがあります。

家庭でできる工夫

落ち着きや集中について気になるときは、

「本人がもっと頑張る」

ことだけを求めるのではなく、環境や伝え方を変える方法があります。

指示は短く具体的にする

「ちゃんとして」
「早く準備して」

だけでは、何をすればいいのか分かりにくいことがあります。

たとえば、

「靴下をはこう」
「ランドセルを持ってきて」
「プリントを机に出そう」

というように、具体的に伝えます。

一度に多くのことを言わず、短くすることもポイントです。

一度に一つずつ伝える

複数の指示を一度に伝えると、途中で忘れてしまうことがあります。

「着替えて、歯を磨いて、水筒を入れて」

ではなく、

「まず着替えよう」

と一つずつ伝えます。

できたら次を伝える方が取り組みやすい子もいます。

やることを見える形にする

言葉だけでは忘れやすい場合には、

  • 予定表
  • チェックリスト
  • 写真
  • イラスト
  • 付箋

などを使って、やることを見える形にします。

「次に何をすればいいのか」が分かると、一人で進めやすくなることがあります。

集中しやすい環境をつくる

机の上に必要のない物がたくさんある場合は、いったん片づけます。

テレビを消す。

人の出入りが少ない場所にする。

音が気になる場合には静かな場所を選ぶ。

このように、気がそれるものを減らす工夫もできます。

集中の難しさを、

「本人の努力不足」

だけで考えず、環境を調整する視点も大切です。

活動を短く区切る

長い時間ずっと集中することが難しい場合には、

「全部終わるまで頑張ろう」

ではなく、活動を小さく区切ります。

たとえば、

「まず5問」
「ここまで終わったら休憩」
「10分取り組んだら一度立とう」

という方法があります。

短い時間でも集中できる経験を積み重ねる方が取り組みやすいことがあります。

できたことを具体的に伝える

注意されることが増えると、

「またできなかった」

という経験ばかりが残ってしまうことがあります。

できたときには、

「最後まで座ってできたね」
「一回でランドセルを持ってこられたね」
「途中で気がそれたけど、戻れたね」

というように、何ができたのかを具体的に伝えます。

結果だけでなく、

「戻れた」
「始められた」

といった途中の行動を見ることも大切です。

休憩や体を動かす時間も取り入れる

長時間座り続けることが難しい子どももいます。

その場合は、

短く取り組む
少し体を動かす
また戻る

という流れの方が集中しやすいことがあります。

休憩を、

「集中できなかった罰」

のように考えるのではなく、次に取り組みやすくするための調整として使います。

「落ち着かない=ADHD」ではありません

子どもが落ち着かなかったり、集中できなかったりすると、

「ADHDでは?」

と心配になることがあります。

しかし、一つの行動だけでADHDと判断することはできません。

子どもは誰でも、疲れていたり、興味がなかったり、緊張していたりすると、集中しにくくなることがあります。

睡眠の問題、不安、学習上の困難などでも、ADHDに似た様子がみられることがあります。

そのため、

「落ち着かない」
「忘れ物が多い」
「集中が続かない」

という一つひとつの行動だけを見るのではなく、

どのくらい続いているか
どんな場面でみられるか
家庭以外でも同じような困りごとがあるか
生活にどの程度影響しているか

などを含めて考える必要があります。

発達障害(神経発達症)全体について知りたい方はこちら

ADHDと落ち着き・集中にはどんな関係がある?

注意欠如多動症(ADHD)は、神経発達症の一つです。

ADHDでは、

  • 不注意
  • 多動性
  • 衝動性

などがみられることがあります。

たとえば、

  • 必要なことに注意を向け続けることが難しい
  • 忘れ物が多い
  • じっとしていることが難しい
  • 待つことが苦手
  • 考える前に行動してしまう

といった様子がみられることがあります。

ただし、ADHDの現れ方は一人ひとり違います。

また、診断は家庭での一つの行動だけで決まるものではありません。

家庭、園や学校など複数の場面での様子や、生活への影響、ほかに説明できる理由がないかなどを含めて専門家が評価します。

注意欠如多動症(ADHD)について詳しくはこちら

叱れば集中できるようになる?

何度言っても動いてしまったり、忘れたりすると、

「もっと厳しく言った方がいいのでは」

と思うことがあるかもしれません。

しかし、

「ちゃんとしなさい」
「何回言ったら分かるの」
「どうして集中できないの」

と繰り返すだけでは、何をすればよいのか分からないことがあります。

大切なのは、

何が難しいのか
どこでつまずいているのか
どうすればやりやすくなるのか

を具体的に考えることです。

ルールを伝える必要がないという意味ではありません。

危険な行動や守る必要のある約束については、分かりやすく伝える必要があります。

そのうえで、

「できないことを叱る」

だけではなく、

「できる形に調整する」

という視点を持つことが大切です。

相談を考えた方がいいのはどんなとき?

落ち着きがない、集中が続かないというだけで、必ず受診が必要というわけではありません。

一方で、次のような場合には、専門家への相談を考えてもよいでしょう。

  • 家庭だけでなく、園や学校でも困りごとが続いている
  • 学習や日常生活に大きな影響が出ている
  • 友だちとのトラブルが繰り返されている
  • 忘れ物や失くし物などで本人が強く困っている
  • 落ち着きのなさによって安全面の心配がある
  • 睡眠や不安、学習面など、ほかにも気になることがある
  • 本人が「できない」「自分はダメだ」と強く感じている
  • 家庭での対応に保護者が疲れている

「診断が必要か分からない」

という段階でも相談して構いません。

診断を受けるためだけではなく、

「家庭でどう工夫すればいいか」
「園や学校とどう相談すればいいか」

を考えるために相談することもできます。

相談先はどこ?

相談先としては、

  • かかりつけの小児科
  • 発達を専門とする医療機関
  • 市区町村の発達相談
  • 保健センター
  • 子育て支援窓口
  • 園や学校の先生
  • スクールカウンセラー
  • 地域の発達障害者支援センター

などがあります。

相談するときには、

「集中できません」

だけでなく、

「どんな場面で困るのか」
「どのくらい続くのか」
「できる場面はあるか」
「家庭と園・学校で違いがあるか」
「睡眠や生活リズムはどうか」

などを伝えると、状況を整理しやすくなります。

落ち着きや集中だけで、その子を決めつけない

落ち着きがなかったり、集中できなかったりすると、その部分ばかりが目につくようになることがあります。

でも、

よく動くこと
いろいろなことに気づくこと
興味のあることへ強く惹かれること
すぐに行動できること

が、場面によっては力になることもあります。

大切なのは、

「集中できる子にしなければ」

と考えることではありません。

その子が、

どんな環境なら取り組みやすいのか。

どんな伝え方なら分かりやすいのか。

どのくらいの時間なら集中しやすいのか。

何に興味を持っているのか。

そうしたことを一つずつ知っていくことです。

落ち着きや集中の難しさだけで、その子全体を決めつける必要はありません。

理解できることが増えれば、できることも増えていきます。

参考資料

・国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害情報・支援センター 「各障害の定義」
・Centers for Disease Control and Prevention(CDC)「Diagnosing ADHD」
・Centers for Disease Control and Prevention(CDC)「Symptoms of ADHD」
・National Institute for Health and Care Excellence(NICE)「Attention deficit hyperactivity disorder: diagnosis and management」

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